本田美登里監督退任記者会見
レディースチームの本田美登里監督の退任記者会見を下記通り、実施いたしました。
■開催日時:2019年12月6日(木)14:30
■開催場所:長野Uスタジアム
■登壇者:
・長野パルセイロ・アスレチッククラブ 代表取締役会長兼社長 堀江三定
・AC長野パルセイロ・レディース 監督 本田美登里
長野パルセイロ・アスレチッククラブ 代表取締役会長兼社長 堀江三定
「レディースチームの監督として7年間、クラブを支えていただきました本田美登里監督が今シーズンをもって、契約満了となりました。本田監督には女子サッカーが盛んではない長野県に来ていただきまして、本当に盛り上げていただきました。特に、下のカテゴリーから、なでしこリーグの最上位の1部まで昇格に導いていただき、長野に女子サッカーのブームとも言える一つの火を灯していただいたと感じております。7年という期間で、一つずつ積み重ねて女子サッカーの発展に寄与していただいた本田監督には、クラブとして感謝を申し上げるところです。
ただこれで長野の女子サッカーの火を消すわけにはいきませんので、本田監督が残していただいた功績をベースに、来シーズン以降も女子サッカーの発展のために力を尽くしていきたいと思っています。本田監督には7年間、お力添えをいただいたことに改めて感謝申し上げます」
AC長野パルセイロ・レディース 監督 本田美登里
「ホームページで掲載させていただいたコメントが私の想いです。今回の結果をもって責任を取るということは、自分がしなければいけないことだと思っていました。責任の取り方をどうするか、11月16日(入替戦 第2節)から今日に至るまで考える時間、猶予を与えていただいたことに、クラブに感謝を申し上げます。その中で出したのが今回の結論です」
報道陣からの質疑応答
Q.退任を決めた理由と時期について
「入替戦へまわり、その結果をもって、(退任を)考えることは当然ありました。責任の取り方を考えたとき、2部に落としてしまった以上、2部で戦うことも責任だとも考えていました。しかし、皇后杯の日体大戦で、結果としても、内容としても、不甲斐ない試合をしてしまい、今年1年間の取り組みが日体大の結果と捉え、自分がその責任を負うべきだと感じました」
Q.続投要請について
堀江「本田監督からお話があった通り、今季の成績は認識しておりますし、監督だけの責任ではないことも十分認識しております。本田美登里という女子サッカー界のレジェンド、長野のみならず日本の女子サッカー界に大事な方が、長野の女子サッカーをここまでしてくれたことは、クラブとしても、長野県のサッカー関係者としても、感謝しています。若い選手を成長させてきた実績もありますから、クラブとしてはまず、本田監督の意向をまず汲んで、今後どうしたいのかを聞くことに重きを置きました。本田監督に最大限リスペクトをもったうえで、本田監督が女子サッカー界に力を尽くせるステージがどこなのかを話させてもらい、その結果、本田監督の決断を受ける形になりました」
本田「クラブとして、会長・社長として、私の意見をリスペクトしてくれまして、続投要請という言葉自体はないですが、続投なのか、退任なのかを私自身がジャッジする形にさせていただきました。それは社長がおっしゃった通りです。日体大戦の不甲斐ない試合を含めて、7年という長期でしたから、違う風を吹かせたほうがいいのではないか。新しい方に任せたほういいのではないかと考え、決断をしました」
Q.継続の可能性について
「継続することも責任の取り方だと考え、一時はその方向に傾いたときもありました。今年のスタートの時点で若手に切り替え、長野の選手を獲得しました。ただ怪我や病気もあり、彼女たちとは1年間を通して一緒に戦うことができませんでした。育てることも自分の仕事だと思っていましたので、継続して彼女たちを育てようとは考えてはいました」
Q.今シーズンの総括について
「非常に苦しいシーズン、結果だったと思っています。確かに怪我人が多く出てしまったのですが、今年は女子サッカー全体で大怪我が多く、どのチームも苦しい中での戦いでしたから、怪我を言い訳にはしたくありません。人数が少ない中で、若手が怪我をしてしまい、後半はベテランが踏ん張ってくれたのですが、そのベテランも最後は疲弊してしまいました。あと國澤がいた前期と、國澤のいない後期で試合内容が変わってしまい、補強しなければいけないポイントでしたが、補強が上手くいかず、苦しい結果になってしまったと思います」
Q.思い出に残っている試合について
「一つは2015年の2部優勝を決めた試合。坂本が怪我で出られず、横山が坂本のシャツを重ねて着て、彼女が得点王になるための得点数をシャツに書いて、最終的にはレッドカードで退場する。そんな印象的な試合もありましたし、1部に上がって初めてのホームゲームで高槻に5-2で勝った試合も思い出に残っています。宮間あやと福元美穂のいる岡山湯郷ベルの古巣と対戦したことも強く印象に残っています。入替戦もそうですが、一つ一つ印象的な試合が多かったです」
Q.若手選手の成長について
「その部分についてはやり残したことだと思っています。入替戦後に『後悔したことはありますか』と質問され、ありませんと答えましたが、若手選手を育てることは、次の監督にバトンタッチしたいと思います」
Q.1部復帰のために、選手たちに伝える言葉とは
「現在はオフ期間なので、まだ選手たちに言葉はかけていませんが、今後の練習で言葉をかけようと思っています。そしてパルセイロが1部に返り咲くためには、いくつかあると思いますが、“長野愛”が必要だと思っています。最近の選手たちはドライな選手が多いので、長野の子たちが、がんばってくれたらいいですね」
Q.サポーターの方へ一言
「本当に良いときも悪いときも、雨の日も風の日も応援していただき、アウェイにも多くの方に足を運んでいただきました。リーグで2年間、観客動員日本一を獲っていただいて、誰もが言うように自慢すべきサポーターの皆さんだと思っています。
言い方が間違っているかもしれませんが、私がいなくなっても同じように応援していただける皆さんだと思っていますので、これからもUスタもしくはアウェイで選手たちの背中を押していただければと思います」
Q.台風被害に遭ったファンへ
「本来は入替戦に勝利して、1部に残留して、皆さんに勇気を届けたかったです。結果が伴わない中で、今の私がどれだけの元気や勇気を与えられるかわかりませんが、一日でも早い平和な日常に戻ることを祈っています」
Q.長野の7年間を振り返って
「本当にサッカー漬けにさせてもらった7年間でした。2年間のJFAの仕事であったり、10年間の岡山での生活であったり、それらよりも中身の濃い7年間だったと思います。私自身、ほとんど温泉にも、観光地にも行くことはなく、家に引きこもって試合の映像を見て、試合に向かう日々でした。多くの選手と関わることができました。また男子のトップチーム、Jリーグに関わったことで、女子のサッカーだけではない知識や戦術を、学べる機会が多かったので、中身の濃い7年間だったと思います」
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