澁谷泰宏代表取締役社長 就任記者会見を実施いたしました
4月2日(水)長野Uスタジアムにおきまして「澁谷泰宏代表取締役社長 就任記者会見」を実施しましたので、ご報告いたします。
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澁谷泰宏代表取締役社長 就任記者会見【質疑応答より抜粋】
■鷲澤幸一 前社長
──昨年10月末の就任後、澁谷新社長が就任するまでの間を繋いだ形となりましたが、達成できたこと・今後繋いでいきたいことなどがあれば教えてください。
5ヶ月ほどを繋いだ形となりました。シーズンの最終盤・契約更改期・シーズンオフ~シーズンインいう時期でしたので、私にとっては激動の5ヶ月間でしたが、クラブにとっては当たり前にやってくる5ヶ月間。その中で私の一番のミッションは、まず最終盤をしっかりと締めくくりながら新しい年度のスタートを切るための準備をすること。具体的には社内のスタッフを揃えること、それから新しい強化部長と監督を決めること、彼らに新しいチームづくりを託すことが私の仕事だったと思っています。スタッフを揃えること・チーム強化に対しての人を選ぶことに関しては十分期待ができるメンバーを揃えることができたと思っています。
まだまだ足りなかったことはたくさんありますが、こうした体制を作って澁谷社長にバトンタッチができたことは、ほっとしています。ただ今後も取締役として残りますので、しっかりと澁谷社長のサポートをしていきたいと思っています。
■澁谷泰宏 社長
<冒頭あいさつ>
この度、4月1日付けで長野パルセイロの社長に就任しました澁谷でございます。
私はこれまでの37年間、法人営業一筋でやってきました。直近の10年間は、大阪・長野・宮城で経営を学び、その内2019年~2023年の4年間を長野で活動してきました。私に課されたものの一つは、この長野での4年間で培ってきた人脈と、やはり営業として37年間やってきた経験を活かすことだと思います。
また、SHC(公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル)においてスポーツ経営マネジメントプログラムを学ばせていただきました。サッカーの経営について学んだことも私の一つの武器になるのではと思っております。60歳の私自身の新たなステージとして、一生懸命に挑戦するにはかなり大きな使命なのかもしれませんが、精一杯この長野のために頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
<質疑応答>
──(株)長野パルセイロ・アスレチッククラブの現在の経営状況について、どのように受け止めていらっしゃいますか。
かなり厳しい状態だとは聞いております。私に課されたことはJリーグのクラブライセンス判定期までに、しっかりと経営基盤を整えていくこと。新たな角度での営業活動や、様々な工夫をして経営を安定化させることが、まず最初に課された使命だと考えております。
──昨年は集客活動が成果をあげましたが、より良く継続していくために考えていることは。
まだ就任して間もないので、まずは弊社スタッフのメンバーとしっかりと良質なコミュニケーションを取り、今までやれていないところに対してアプローチをするような形で集客を増やしたいです。今期一試合平均5,000人。これをしっかりと超えられるように、私一人でというよりはスタッフ全員で知恵を出しながら、新たな角度を含めて集客のために活動していくことがとても大切だと考えております。
──長野パルセイロが掲げる「地域密着」について、現段階ではどのようなビジョンをお持ちでしょうか。
長野パルセイロは長野の皆様にとても愛されていると感じています。昨年、鷲澤前社長より打診をいただいたあと、実は何度かUスタに訪れていました。時にはゴール裏の一番熱いサポーターの皆さんの中に混ざり、彼らは何を考えて何を発してくださっているのだろうかと、そういう事も含めて体験させていただきました。とても厳しいお言葉もありましたが、そこには温かい想いがあるのだと感じました。それらをこれからも本当に大切にしたいですし、さらにファン・サポーター・地域の皆さんの期待を裏切らないような形にしていくことをしっかりと考えていきたいと思っております。
──社長就任の打診を初めて受けた際、率直に感じたことは。
SHCでプロスポーツ経営カリキュラムを受けていましたので、こちらの領域で自分をチャレンジしてみたいという考えは以前からありました。ただ37年間、富士ゼロックス・富士フイルムビジネスイノベーションジャパンという会社で法人営業一筋でしたので、実際にお話をいただいたときは「本当にできるのかどうか...」やはり自分の中でも葛藤がありました。ただ、「年度が終わる3月末であれば、前向きに検討させていただきます」という言葉を秋口には鷲澤さんに回答させていただきました。ですので『率直な気持ち』という意味では、かなり複雑で揺れた数ヶ月間だったかな、と思っています。
──葛藤や悩みがあった中でも、社長就任を決めたきっかけはどんな点だったのでしょうか。
前向きな気持ちを鷲澤前社長に途中経過としてお話しを重ねていましたが、最終的に決めたのは昨年のホーム最終戦でした。鷲澤前社長が最終戦セレモニーで話した「この会社を根本的に立て直す」というお言葉。そして、ゴール裏の熱いサポーターの皆さんが、厳しい中でも大きな声で「頑張れよ」「任せたぞ」「頼むぞ」っていう言葉。私もあのゴール裏の中におりましたが、思わず涙が出ました。本当に自分自身が感動していることを客観的に感じました。そして、単身赴任の私は妻に電話をしたのですが「あなたが決めたなら、いくらでも背中を押すわよ」と言っていただいた。その2つが決め手なのかなと感じております。
──法人営業としてBtoBの活動が多かったと思いますが、サッカークラブの経営においてはBtoCの側面も非常に強くあると思います。
そこにすごく面白さを感じています。法人営業よりもBtoCのビジネスのほうが、何か仕掛けたときの反応があったり...という、そうしたレスポンスを直接肌で感じることの面白さ。これを60歳にして新たな自分のチャレンジとして考えるにはかなりヘビーかもしれないですが、やりがいとしては、かなりあるのかなと思っています。それは僕としてはプラス的な形で捉えています。
──他のスポーツを含めたエンターテイメントが、それぞれ時間を奪い合うような状況になっている中で、長野市をはじめとするホームタウンに対してどのように発信していきたいか。現状でお考えのことはありますか。
「バスケットボールに観客を奪われる」「野球を見に行くからサッカーを見に行かない」ではないと僕は思っています。
長野パルセイロの企業理念・クラブのミッションである『地域と共に歩み、スポーツの力でNAGANOを元気にする』ということ。すごくシンプルな言葉ですが、素晴らしい企業理念だなと思っています。これを何十回も噛み続けると、また違う味が出てくるのだと思っています。そういう意味ですと、いろんなスポーツを掛け合わせるとか足すとか、様々な形で連携することでスポーツに関心を持つ。サッカーであろうとバスケであろうと野球であろうと、そこの部分は境目なくスポーツに関心を持ってもらうこと。その仕掛けは、まずはそれぞれが露出を高めること。
例えば、私が昨年Uスタに来るときは、長野駅に新幹線で着きます。そこから在来線で篠ノ井駅に着きます。そこから篠ノ井の商店街を通って30分歩きました。電車の中で、Uスタに向かうお客様を見かけて「親子でどういう会話をしているのかな」と少し耳をそば立ててみたり。駅に着いた後、さらにはこのスタジアムまで歩く動線。そこにもやっぱり何かがあるはず。そういうところを含めて、今までと違う仕掛けができるような気がしています。
ですので、奪い合うというよりは相乗効果で高め合い、さらには一番大事なのは露出をどう増やしていくか。そういう機運を盛り上げるためのアプローチの仕方・角度。そのあたりの工夫を高めていくようなことが大事なのかなと考えています。