INTERVIEW

6

獅子たちに想いを託す “ミスター・パルセイロ”

宇野沢 祐次(AC長野パルセイロ 元選手)

獅子たちに想いを託す “ミスター・パルセイロ”

先制しても油断禁物 勝って上昇気流に

―― ここ数年は、J1やJ2で戦う山雅をどのように見ていましたか?

やっぱり羨ましいですよね。着々と上がってJ1まで行って、そこでは結果が出なかったですが、トップリーグを経験したのは大きかったと思います。パルセイロのJFL時代はまだJ3がなくて、なんとかJ2に上げたいという気持ちで戦っていました。それを達成できなくて、先を行く山雅を羨ましい目で見ていました。

―― 2014年は讃岐とのJ2・J3入れ替え戦で敗れました。

あの試合は本当に申し訳なかったです。木島(良輔)選手にやられましたが、弟(木島徹也)とも対戦する機会がありましたし、2人とも元山雅というイメージが強かったですね。

獅子たちに想いを託す “ミスター・パルセイロ”

―― 今年はJ3という舞台で、11年ぶりのダービーが行われます。どのような気持ちですか?

J3でも十分に盛り上がると思うので、OBとして試合を観るのが嬉しいです。Uスタでのダービーがどんな雰囲気になるのかが楽しみですし、とにかく選手たちが羨ましいなと感じます。山雅は粘り強いチームなので、パルセイロは先制したとしても油断せずに戦って、絶対に勝って欲しいですね。それが新たな始まりとなって、ダービーが伝統になっていけばと思います。

獅子たちに想いを託す “ミスター・パルセイロ”

―― 2019年に引退してからも、長野への愛着は持ち続けているのではないでしょうか?

現役を引退した時も、長野のサッカーを盛り上げたいという気持ちでクラブに残りました。とにかく温かい人たちに囲まれていますし、それがここに残った理由でもあります。地域を盛り上げるためにもダービーは欠かせないですし、お互いにとって意味のあるものだと思います。そうした温かい方々も、ダービーとなると目の色が変わるんですが(笑)。

獅子たちに想いを託す “ミスター・パルセイロ”

―― 現在はU-18の監督を務めていますが、そこでもダービーを意識する部分はありますか?

リーグのカテゴリーは違いますが、Jユースの大会で対戦することがあって、なんとか勝たせてあげたいという気持ちになります。僕が何かを言うことはないですが、選手たちが「山雅には負けたくない」と言っているので、同じ気持ちで戦っています。

―― 今年のパルセイロは、シュタルフ監督のもとで攻撃的なサッカーを展開していますが、どのような期待を抱いていますか?

サッカーは点を取った時の喜びが一番大きいと思うので、勝つだけでなく得点を多く挙げて欲しいです。キャンプを見ていて凄く期待感があったので、ダービーで勝って勢いに乗って欲しいですし、その勢いのままJ2昇格を掴んで欲しいと思います。

獅子たちに想いを託す “ミスター・パルセイロ”

―― 今年は両クラブのパワーバランスを変えるチャンスでもあります。

今まで悔しい思いをしてきたので、それを今の選手たちが晴らしてくれれば嬉しいです。地域の子どもたちがプロを目指したり、サッカーを新しく始めたりするきっかけにもなって欲しいですね。そうした転機の一戦になることを願っています。